商品說明
【威尼斯船歌】
當年戴著厚厚的眼鏡、窮到差點連上台禮服都沒有的鄧泰山，一路過關斬將成為第十屆蕭邦鋼琴大賽的冠軍，這是該賽創辦53年來第一次由亞洲人獲得這個獎項，當時二十二歲的他同時還摘下了協奏曲、波蘭舞曲和象徵蕭邦靈魂的馬祖卡獎。這張孟德爾頌的【威尼斯船歌】，是鄧泰山在日本JVC的專業音樂大廠錄製發行的專輯，來自蕭邦大賽首位華人冠軍得主，所詮釋的孟德爾頌【威尼斯船歌】，讓人更了解孟德爾頌音樂語言的真正情懷。
曲目
01. in E major, Op.19-1（Mendelssohn）02 無言歌集
02. in A flat major, Op.53-1（Mendelssohn）03 無言歌集
03. in C major, Op.67-4（Mendelssohn）04 無言歌集
04. in A minor, Op.19-2（Mendelssohn）05 無言歌集
05. in A major, Op.62-6（Mendelssohn）06 無言歌集
06. in G minor, Op.53-3（Mendelssohn）07 無言歌集
07. in G major, Op.62-1（Mendelssohn）08 無言歌集
08. in E major, Op.67-6（Mendelssohn）09 無言歌集
09. in F sharp minor“Venetianisches Gondellied”Op.30-6（Mendelssohn）10 無言歌集
10. in E flat major, Op.53-2（Mendelssohn）11
11. Rondo Capriccioso Op.14（Mendelssohn）12
12. Gretchen am Spinnrade（D.118）（Liszt）13
13. Standchen von Shakespeare（D.889）（Liszt）14
14. Standchen（D.957-4）（Liszt）15
15. St. Francois d'Assise. La predication aux oiseaux（Liszt）16
16. St. Francois de Paule marchant sur les flots（Liszt）
この ア ルバム に ついて
1958年に ベト ナ ムの ハノイ に 生まれ たダ ン・ タ イ・ ソ
ンは 、1 980年にワ ル シャワ で開 催され た 第10回シ ョ
パン 国際ピ アノ ・ コ ンク ール で優 勝を 果たし 、史 上 初
の東 洋人の 優 勝者と し てセ ン セーシ ョ ナルな 注 目を
集めた 。こ うし て 輝かし いデビ ュ ーを 飾った 彼は 、多
くの 時間を 必 要とす るこ と なく 現代の 最も 傑 出し た
ピア ニスト の 1人に 数え ら れるま で に至っ た が、そ れ
以後の 我 が国に 於け る 彼の 人気だ けを み ても 、確
かに 目を 瞠るも の がある と いって よい だろ う 。一 方、
かつて のダ ン・ タ イ・ ソ ン は、極 めて 精 度の高い 精巧
にし て精 確なテ クニ ック を 武器に し て、繊 細で し なや
かな完 成度の 高い 表 現を 展開し 、ス マ ート で 細やか
な表 現を 聴か せるテ クニ シャ ンと し て 広く人 気を 集
めてい た。し かし 、そ うし た 彼も、 現 在で は 早くも 40歳
代半ば に 達し ている 。メ ン デルス ゾ ーンと リ スト の 作
品を 収めた こ のアル バム は 、彼 の 最新録音 であ る が、
この 録音に 接し た 筆者は 、こ のピ ア ニスト の 演奏に
以前 には みら れな かっ た明 ら かな変 化を 見出 すこ と
ができ た 。こ こ に聴く 彼 の演 奏は、 テ クニ シャ ンと し て
の彼の面 目を 以前 と全 く同 様に 保っ てい る一 方で 、
特有の まろ や かさや ヒュ ー マニス ティ ッ ク なあ たた か
さなど を 顕著に 漂わ せて おり 、そ れ は、彼 の 端整で
精妙な 表 現によ り 深 く豊 かな内 面的感 動を 加味す
る結 果をも た らし て いるが 、こ うし た 変化が 聴き 手 に
この テク ニシ ャン の音 楽 的な成 熟を 強く 印象 づけ て
いるの であ る 。ダ ン・ タ イ・ ソ ン は、そ の 鮮やか なテ クニック を同 様に 保持し な がら 、音 楽を さら に 深くナ イー
ヴに 感じ 取り、 そ こ から 一層人間 的で感 情の 起 伏を
増し た表 現を 生み出 し ている が 、そ れ は40歳代半
ばの 彼が音 楽家と し て の年 齢に ふさわ し い成 長を
遂げ 、そ の 芸風に それを はっき り と 反 映させ るま で に
至った 事 実を 物語っ て いるよ う に想わ れ てなら な い
のだ 。
曲目 につ いて
・メ ン デルス ゾ ーン： 無 言歌集 より
無言歌 とは 、そ の 名称の 由 来は 明らか ではな いが 、
歌曲 風の 旋律 とシ ンプ ルな 伴奏 から 生成 され たピ ア
ノ曲 のこと を 指す。 ド イツ の 初期ロ マン 派 音楽を 代
表す る作 曲家 の1 人で ある F .メン デル スゾ ーン
（ 1809－1 847）は 、全 8集48曲の 無言 歌を 残し てい
るが 、こ れ らは 、極 めて 簡 素な音 の 組成に よる 作 品
である にも か かわら ず 、高 雅で ロ マンテ ィッ ク なメロ デ
ィス ト で あった メン デ ルスゾ ーン の 持ち味 を 魅惑的 に
浮き 彫りに し た作 品であ り 、珠 玉の 名 作とし て 根強
く幅 広い 人気を 保 ち続 けるこ と にな って いる 。こ の ア
ルバム に は、そ のな か から 以下の 10曲が 収め ら れて
いる 。
甘い 思い 出 Op.19-1、ホ 長 調アン ダ ンテ・ コ ン・ モ
ート 、1 829年から 1 832年にか けて 作 曲され た 第1集
の 第1曲に あた るも の で、3 部形式に よる 作 品であ り 、
安らぎ を 感じ させ る抒 情に 溢れて いる 。浜 辺で
Op.53-1、変 イ長 調 アンダ ン テ・ コ ン・ モ ート 、1 839年から 1841年に かけ て作 曲さ れた 第4集の 第1曲に
あたる も ので、 2 部形式に よる 作 品であ り 、舟 歌 風の
性格を 呈し て いる 。紡 ぎ 歌 Op.67-4、ハ 長 調プレ
スト 、1 843年から 1 845年にか けて 作 曲され た 第6集
の 第4曲に あた るも の で、ロ ンド 風 の作 品であ り 、特
に有 名な無 言歌の 1つにな っ ている 。後 悔 Op.19-
2、イ 短 調アン ダ ンテ・ エ スプ レッ シ ーヴォ 、第 1集の
第2曲にあ たる も ので、 2 部形式に よる 作 品であ り 、セ
ンティ メ ン タル な旋 律が歌い 継 がれ ていく 。春 の歌
Op.62-6、イ 長 調アレ グレ ット ・ グ ラツ ィオ ーソ 、1 843
年か らそ の翌 年に かけ て作 曲さ れた 第5集 の第 6曲
にあた るも の で、極 めて 人 気のあ る 名作で あり 、ヴ ァ
イオ リン のための 編曲に よっ ても 親し まれ てい る 。胸
さわ ぎOp.53-3、ト 短 調プレ スト ・ ア ジタ ート 、第 4集
の第 3曲に あた るも の であり 、標 示が その まま 作 品の
タイト ル に なって いる 作品で ある 。五 月の そよ 風
Op.62-1 ト長 調、ア ンダ ン テ・ エ スプ レッ シ ーヴォ 、第
5集の 第 1曲に あた るも の であり 、爽 やか なそ よ 風を
想わ せる無 言歌 にな って いる 。子 守歌 Op.67-6、
ホ長 調アレ グレ ット ・ ノ ン・ ト ロ ッポ 、第 6集の 第 6曲に
あたる も のであ り 、い かに も「 子守歌 」ら し い素 朴で
静かな 無 言歌に な って いる 。ヴ ェネ ツィ ア の舟 歌
Op.30-6、嬰 へ 短調 アレ グレッ ト ・ ト ラ ン クィ ロ 、1 836
年か らそ の翌 年に かけ て作 曲さ れた 第2集 の第 6曲
にあた るも の で、3 部形式 によ る 作品で あり 、哀 愁に
富んだ 情 緒が聴 き手 を惹 き付 ける 。浮 き雲 Op.53-
2、変 ホ 長調 アレ グロ・ ノ ン・ ト ロ ッポ 、第 4集の 第2曲にあた るも の であり 、そ の 中間 部では 、旋 律が さま ざ
まな 声部に 移 動し て現わ れ 、雲 がの ど かに 動くよ う
なイメ ー ジが 形成さ れ ている 。
・メ ン デルス ゾ ーン： ロ ンド ・ カ プリ チ オーソ ホ長 調
Op.14
メン デルス ゾ ーン は、音 楽史 上でも 特 に早 熟の 天
才とし て 名高い 作 曲家で ある が 、1 824年に 15歳の
彼の筆から 生ま れ たと 考えら れ ている こ の「 ロン ド ・
カプ リチ オーソ 」は 、華 麗な 演 奏効果を 誇る傑 作で
あり 、メ ン デルス ゾ ーン のピア ノ 曲のな か でも 最もポ ピ
ュラ ーなも の の1つにな っ ている 。こ の 作品は 、ア ンダ
ンテ の序 奏部と プ レスト の ロンド の 部分か ら 構成さ
れてお り 、妖 精を 想 わせる よう な 軽快な 主 要部 分と、
それを めぐ る 2つの エピ ソ ード を 軸にし て 組み立て ら
れてい るロ ンド の 部分は 、A －B－A－C－B－ Aとい
う構 造を 呈し てい る。
・リ スト ： シ ュー ベ ルト・ ト ラ ンスク リ プショ ン
19世紀最大 のピ アノの ヴィ ルトゥ オ ーソと し て 名高
いF.リス ト （ 1811－1 886）は 、作 曲の みな ら ず編 曲に
も多 大な関 心を 示し 、ジ ャン ル や作 曲家を 問 わず 実
にさま ざ まな 作品を ピ アノ のため に 編曲し て いる 。そ
して 、F .P.シュ ー ベルト （ 1797－1 828）の 歌 曲の 編
曲は、 原 曲の イデ アを ピ アニ スティ ッ ク な書 法のな か
で巧 みに 具現 化し たユ ニー クで 独創 的な内 容に な
って おり 、最 近で は 接する 機 会が非 常に 多くな って
きて いる 。こ のアル バムに は 、そ のな か から 以下の 3
曲が 収め られ てい る。
糸を 紡ぐグ レ ート ヒェ ン、 1 814年に 作曲さ れ たそ の
原曲は 、シ ュ ーベ ルト が ゲーテ の 詩をテ クス ト に した
最初の 歌 曲であ り 、そ こ では 、紡 ぎ 車が 間断な く 回る
音の描 写が特に 印 象深い も のにな って いる 。聞 け、
ひばり 、 シ ュ ーベ ルト は 、1 826年7月にシ ェイ ク スピ ア
の詩に 3曲の 歌曲を 作 曲し たが 、こ れ は、そ のな か
の1つであ り 、「 朝の セレ ナ ード 」と も 呼 ばれる よう に 明
るく 爽 やか な作 品にな って いる 。セ レ ナード 、 1 829年
5月に 出 版され た「 白 鳥の 歌」は 、シ ュ ーベ ルト 最 晩
年の 歌曲14曲をま と めた 歌曲集 であ る が、そ の 第4
曲にあ たる こ の「 セレ ナ ード 」は 、無 類の 美し さを 秘
めた 清純で ロ マンテ ィッ ク な名 作とし てあ まり に も有
名で ある 。
・リ スト ： 2つの 伝説 S.175
リスト は 、1 861年に ロー マに 赴き 、ロ ー マ法 王にヴ ィ
トゲ ンシ ュタイ ン 侯 爵夫 人カロ リ ーヌと の 結婚の 許 可
を求 めた が、そ の 願いは 拒 絶され た 。そ の ために リ
スト は 、宗 教 的な 生活に 身を 置こ うと 考 え、僧 侶に な
るこ とを 志願し 、1 865年4月25日に 下 級の 僧侶の
身分を 得 た。こ の「 2つの 伝説 」は 、そ のよ う な時 期
に作 曲さ れた 宗教 的な 題材 によ る創 作の 1つ であ
り、大 作「 聖エ リザ ベ ート の 伝説 」の 完成直 後の 所
産であ る 。こ のピ アノ 曲 は、偉 大な 聖 者とし て 知られ
る聖フ ラン ソ ワの 業績を 音 で描 写し たも のであ り 、宗
教 的な題 材に 基づい ては いる が 、作 品の 性 格とし
ては 、あ くま でも 描 写的な 傾 向が濃い 内 容にな って
いる 。1 863年にロ ー マで 完成さ れ たこ の作 品は、 リスト 自 身のピ アノ に よっ て、「 聖エ リザ ベ ート の 伝説 」
と一 緒に 1865年8月29日に ブダ ペ スト で 初演さ れ
ており 、ハ ンス・ フ ォン ・ ビ ュ ーロー の 夫人に なっ た コジ
マに 献呈 され てい る。
第1曲：小 鳥に説 教する アッ シ ジの 聖フラ ン チェス
コ、 聖 フラ ン チェス コ は、1 3世紀初め のイ タ リ アの 聖
者であ り 、フ ラン チェスコ 教 会の 設立 者とし ても 有 名
な人 物であ る 。「 アッ シ ジの 聖フラ ン チェス コ の小さ
な花 々」と い う小 説から 着 想され たと い われる こ の
第1曲では 、聖 フラ ン チェス コ が小 鳥たち に 教えを 説
き始 めると 、小 鳥た ちは 身 動きも せ ずに その 説教に
聴き入 った 、と い う物 語が音 画 風に 描写さ れ ている 。
曲中で は 、合 唱曲 「 アッ シ ジの 聖フラ ン チェス コ の太
陽讃歌」 か らの 素 材の 引用が みら れ る。第 2曲：海
の上を 歩く パ ウロ の聖フ ラ ンチェ ス コ、 リ スト が 所有
して いた シュ タイ ンレ の絵 画か ら着 想さ れた この 第2
曲は、 パ ウロ の 聖フラ ン チェス コ が波 上を 歩む 姿を
描写 的に 表現し て おり 、ピ アノの 技巧 的な活 躍が特
に目を 惹く 作 品にな って いる 。曲 中に は 、合 唱 曲
「パウ ロ の聖フ ラン チェスコ に 寄す」 か らの 素 材の 引
用が みら れる 。
（ 柴田龍一）
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